2017.3.12(日) 14:00〜 明治安田生命J3リーグ 第1節 鳥取@吹田S
[プレビュー]若きガンバの新たな戦いが幕開け。宮本監督の初陣を勝利で飾りたい

2017年3月12日はガンバのクラブ史に新たな一ページが刻み込まれる一日だ。

昨季からガンバ大阪U-23が参入するJ3の開幕戦であると同時に、今季からガンバ大阪U-23を率いる宮本監督にとってもデビュー戦。ガンバで育ち、ガンバで輝いた最初の生え抜きが、プロ監督としてキャリアを第一歩を踏み出す歴史的な一戦である。

プロチームを見るということで、身の引き締まる思いがありました」。1月の新体制会見で、新たな挑戦へのやりがいを口にした宮本監督だが今季、ガンバ大阪U-23はトップチームと完全分離で活動。原則的にオーバーエイジ枠も用いることはなく、トップチームでの活躍を夢見る若手でシーズンを乗り切ることになる。

初参入となった昨季はU-23組では最高順位となる9位で、総得点数は5位。堂安や市丸らが存在感を見せたが、今季も育成と勝負へのこだわりを追求する姿勢に変わりはない。

開幕を1週間後に控えた宮本監督もキッパリと言う。「トップで活躍出来る選手をたくさん出したいが、かといって試合に負けていいわけでもない。J3の試合で活躍した中で、トップに呼ばれる選手が出て来るのが理想

1月の始動後、宮本監督が選手たちに強調してきたのは「試合を見に来た人が、常に楽しみ、喜んで帰ってもらえるようなサッカーをしよう」という攻撃的なスタイルの完成だ。

開幕を目前にした3月5日の関西ステップアップリーグでは関西学生選抜に0対1で敗れた若きガンバだが、キャプテンを務める森や、2種登録の梅津、さらにルーキーの高らがガムシャラにピッチを駆け回り、開幕スタメンに向けてアピールを続けていた。

随所でガンバらしいショートパスでの崩しもみられた一方で、90分を通じてのシュート数はわずか5本。宮本監督も「今日はシュート数が少なかった。開幕までに意識づけて行きたい」とボールポゼッション率の高さをフィニッシュにつなげていきたい考えだ。

トップの練習に一部主力を送り出していることもあり、まだ手探りのチーム作りが続くがキーマンとなるのはやはり森。「組み立ては他の選手に任せることが出来ると思う。僕が相手ゴールに近いところでプレーしないとシュート数も得点も増えない」と攻撃の軸としての自覚を口にした。

開幕戦で迎え撃つのは昨季、クラブ史上ワーストとなるJ3の15位に終わった鳥取だ。率いるのはかつて宮本監督と日本代表で同僚でもあった森岡監督。稲森やガンバユース出身の原口ら元ガンバ勢も高いモチベーションで市立吹田サッカースタジアムに乗り込んで来るだろう。

ガンバのレジェンドが率いる若きガンバにとって歴史的な開幕戦。野心に満ちた指揮官と若手が、市立吹田サッカースタジアムで今季の第一歩を踏み出す。


【G大23 vs 鳥取】 ウォーミングアップコラム:J3開幕。宮本恒靖氏が、Jリーグ監督としてホームで初陣。

2017年3月11日(土)

12日、ガンバ大阪U-23としては2年目の参戦となるJ3リーグが幕をあける。指揮をとるのは今季、就任した宮本恒靖監督(写真)だ。一昨年の15年に現役時代に11年間を過ごした古巣に戻り、ガンバ大阪ジュニアユースコーチとして指導者としてのキャリアをスタート。昨年の同ユースチーム監督を経て、今季、U-23監督に就任した。

その就任に際して「トップチームにつながる選手育成がこのチームの目的。だからこそ、選手個々の力を最大限に伸ばせるよう、また、一人前のプロサッカー選手として、トップチームはもちろん、より大きな舞台で戦える選手に育てていきたい」と話していた宮本監督。その言葉通り、1月21日に始動してからの約2ヶ月は、選手個々の特性を見極めることから始まって、それを『チーム』にするために力を注いできた。中でも選手に強調してきたのは、持っている個性をいかに試合の中で効果的に生かせるのかということ。それもあってだろう。始動から今日まで、週に一度のペースで練習試合を組み、かつ、その相手もいろんな個性、強さを持ったチームと戦いながら、チーム作りを行ってきた。

プロの世界に飛び込んできた選手は、誰もがそれぞれに高い質や個性を備えた選手です。身体能力やもっている技術だけで見ると、J1、J2リーグの選手ともそう大差はないのかもしれない。ですが、U-23の選手の多くは、その個性をいつ出すのか、チームの中でどう生かしていくのかを整理しきれずにプレーしていることが多い。あとは『思考』のスピードですね。いいポジションを早くとるとか、相手がこうしたいと思うより先にそれを感じ取って動くとか。攻守における思考のスピードをどうすれば早められるのか、いつ発揮すればより自分が活きるのか、というヒントを与えていくのが僕たちU-23を預かる指導者の役割だと感じています

もっとも開幕を週末に控えた今も、その部分はまだまだ発展途上にある。というより、選手たちはこれから『公式戦』を戦う中で、よりその必要性を感じることになるはずだ。それをいかに克服させながら、宮本監督の言う「トップチームにつながる選手育成」を形にしていくのか。初戦の相手は、02年の日韓ワールドカップをともに戦った森岡隆三監督率いる、ガイナーレ鳥取。すでに昨年の高円宮杯U-18プレミアリーグで対戦していることもあって、さほどの特別意識はなさそうだが「ただ、不思議な感じはしますね」と宮本監督。プレミアリーグでの対戦は宮本監督率いるガンバ大阪ユースが2戦2勝したが、今回はいかにーー。


ハーフタイムコメント
いい試合だが、勝たなければいけない。
後半相手は出てくるので、我慢し、自分達の時間にしよう。
最後まで走り、たくさんお客様も来てくれているので、いいサッカー、自分達がいい選手というのを見せよう!!

明治安田J3 第1節●0-2鳥取@吹田S
2017シーズン明治安田生命J3リーグ初戦。ガンバ大阪にとってU-23チーム2年目、そして宮本監督が初采配を振るう試合を、ホームである市立吹田サッカースタジアムで迎えた。
対戦相手のガイナーレ鳥取は、昨年ユースで共に指揮を取った宮本監督と対戦した森岡氏が監督ということ、またガンバ大阪ユース、トップチームに所属した稲森選手が所属し、話題に事欠かない対戦である。
スタメンに4名の2種登録選手を並べ、この若いチームに対して「若い選手が出るチャンス。自分の強みを出すように日頃から声をかけていて、強みが出て、色が出ることでより良いチームになる。」と監督も話していた。
試合開始後、初シュートは背番号50の2種登録選手の白井。右からのクロスに、ゴール正面頭で合わせるもGK正面。10分には左サイドから縦のロングパスからゴール前に攻め、森のダイレクトシュートは惜しくも枠のわずか上。21分、鳥取の左サイドへの駆け上がりとクロスを足立がしっかりと足を出してブロックし、攻撃を食い止める。
「前半いい試合だった。」という宮本監督のとおり、攻守共に集中した試合展開だった。
しかし、最後のフィニッシュまで持ち込めず、43分、森が中央突破を図るも得点を奪うことができず、無失点のまま前半を折り返した。
いい試合をしても勝たなければ意味がないという宮本監督の言葉。しんどい時間が続くことが予測される後半、「我慢し、自分達の時間にしよう。」と再度集中力を高めて後半に入った。
後半50分、高からのパスを森が受けてコースを定めてシュートを放つが、GKのファインセーブにより阻まれる。続けて江のシュート。ドリブルで切り替えしてから、ループのシュートは枠の上。
カウンターにも、ペ・スヨン、野田が冷静にボールをカットするなど、集中を切らさずに戦った。あと欲しいのはフィニッシュ、得点。
しかし、先に点が動いたのは鳥取。63分左から縦のパスを、横に繋いでゴール正面。蹴りこまれて先制される。続けて67分にも左からの突破。マイナスのラストパスに、野田が飛び込むも、ファーサイドのネットを揺らされて0-2。
攻撃では自陣で嫁阪がボールを奪い、そのまま縦にドリブルで上がるも、DFに阻まれる。
後半交代し、フレッシュな選手を入れることで巻き返しを図る。72分、嫁阪に代えて郡。森がキッカーのFKでは、野田が最前線で右足を高く上げてゴールを狙うも枠を越える。
防戦が続く後半。奪われた後の動き出しの反応が遅く振り回される展開に。走る距離も増え、体力的にもキツイ時間が続く。
刻々と少なくなる時間の中、88分、2種登録の臼井に代えて同じく2種の山下を投入フレッシュな選手で攻撃を仕掛けるも、得点を奪われないまま、試合終了。
たくさんのお客様の中で、いいサッカー、いい選手であることを見せよう。」という思いは結果として届けることは残念ながらできなかった。

[ 宮本 恒靖監督 ]
立ち上がりは非常にいい入りをしたと思いますし、前半に関してもたくさんチャンスを作れていたところはあったと思います。そこはこちらが予想していた以上の選手の集中力であったり、気持ちの入ったプレーが見られた。それは守備面でもそうでした。

ただ、前半に相手のペナルティエリア近くでの質が足りなかったので、そこを修正するようにと後半出ていって、変わらず選手は相手ゴールに迫っていったと思うんですが、少しの対応のミスや判断のミスということで失点につながった。0−1になった後、そのスコアをもう少しキープできていればもう少し違った展開になったと思うんですが、0−2になってからは相手も少し落ち着いた中でサッカーをしたと思いますし、1点でも返せれば良かったと思うんですが。

−−今日の試合でJリーグの監督としての第一歩を踏み出したが、実際に試合をしてみての感想は?
けさ起きてみて、すごく自分自身の気持ちの高まりもありましたし、試合中も後ろからたくさんのお客さんの声が聞こえたり、チャントが聞こえたりという中で、やはりプロチームの監督、試合だと強く感じました。自分自身も、テンションの高い中でどう冷静に判断していくかをさらに磨いていかないと、とあらためて思ったところです。

[ 森 勇人 ]
今日はゴールも奪えなかったですし、失点してからなかなか僕らの攻撃でいいシーンを作れなかったので、そこが課題だと思います。僕自身はインサイドハーフというFWの下でプレーすることを意識していましたが、(白井)陽斗が小さいFWで、相手の大きいDFに対しては厳しい部分があるので、近くでサポートすることを心掛けたりとか、ビルドアップがうまくいっていない時間帯には僕が下りて、ボールをさばいて前に出ることは意識していました。

−−中原 彰吾選手がアンカーに入って、森選手も高い位置でプレーできて良い時間もあったが?
彰吾くんはボールを散らせるし、球際も強い。僕は高い位置で待っていてもボールが来るので、高い位置でプレーすることを心掛けたし、そこは良かったと思います。

−−良い時間帯に決め切れず、後半の最初の決定機で失点したのは課題?
僕自身も前半、何本かチャンスがあったのに、そこで決め切る力がまだまだ足りない。あとはチームとしてもっと決定的なシーンを作ること。ゴール前でもう1つ何かプレーを入れるんじゃなくて、そこでシュートを打つとか、逆に相手をもっと見て崩していくことが課題だと思います。

[ 野田 裕喜 ]
−−前半は自分たちが攻める形も見せられていたが、手応えは?
そうですね。いいテンションで試合に入れたと思いますし、シュートというかチャンスの数も多かったけど、決め切る力や最後の枚数が少ないのが課題。そこはハーフタイムにみんなに言ったんですけど、うまくできなかった印象です。

−−攻撃はまだ連係を模索している最中だが、それだけにしっかりと守備陣が持ちこたえたい?
攻撃の部分では自分も周りに要求していますし、ボールを持てても点が取れないと勝てないので、そういう中で失点がトントンと続いてしまったのは自分の責任だと思います。

[中原 彰吾]
(失点するまで攻守にバランス良くて、なかなか開幕前は形になっていかなったところも今日は修正して、もしかしたら失点するまでは今までにない手応えを感じられたのかなと思ったのですが?)そうですね。前半は本当にみんなやれているなと感じたし、押し込めて、できていたので、そこでやっぱり点を決めないといけなかったと思いますし、あそこをもっと攻撃陣はこだわりを持ってやらないといけないし、後半に関してはもっと守備陣が連動して防げたと思うので、もっとやっていきたいなと感じました。(1失点目のあと、慌てる展開ではなかったと思いますが、チームがばたついて2失点目をとられてしまった。そこは少し若さが出たのかなと感じました)そうですね。局面で、1:1の部分でやられていたりとか、やっぱりもっとゴール前は一人一人体を張らなくちゃいけないし、そういうところでまだまだ気持ちを出せていないので、そういうところはもっと言っていかなくちゃいけないなと思いました。(ボールは運べてもフィニッシュの回数としては少し少なかった)もっとシュートチャンスというか、シュートを打つチャンスはあったと思うし、あそこでこちょこちょこねて、とられてというのが多かったので試合中ももっと打てというか、もっと思い切ったプレーをやっていった方がいいんじゃないかというのは思います。(個人的なパフォーマンスについての手応えは?)もっと自分が上を目指しているならJ3の舞台でもっとやれて当たり前にならなきゃいけないし、ゲームを支配してもっとうまくコントロールできなきゃいけないので。自分もまだまだだなと感じました。

[高 宇洋]
(内容としては悲観するものではなかったしむしろ、これまでの練習試合より良かったと感じましたが、そういう意味では手応えも得たのでは?)そうですね。僕自身も公式戦というところでモチベーション高くできたんですが、チームとして勝ちきれなかったのは1つ悔しいです。(失点シーンまではバランス良くやれていたけど、そのあと少し落ち着きをなくした)本当に失点するまではチームとしてもいい戦い方をできていたと思うんですが、あそこで失点したあと、いかにチームを立て直すかというところは必要だと感じました。(今後に向けて課題として残ったのは?)まず失点しないというところでは、局面でも軽いプレーがあったりしたので、全員が球際に意識をもっともって守りきるというところと、あとは点がないというところでしっかり点を取りきることをやっていきたい。

[谷 晃生]
(初めてのJリーグでの公式戦でしたが、手応えは?)練習試合とかではいいプレーをみせれていたんですが、公式戦になってサポーターもいて、という雰囲気の中でいつも通りのプレーができていなかったし、慌ててというところが多くなってしまってチームに迷惑をかけてしまったのかなと。今日はミスも多かったので。(練習試合でやる時間は前回のステップアップくらいであまり多くなかった中で、DFラインのコンビネーションで意識していたところは?)日々の練習からコミュニケーションはDFライン、特にセンターバックの二人とはとれるようにしていましたが、短い時間の中でもやっていかなければいけないと思っているし、時間がなかったことは言い訳にならないので、そこは改善していきたいです。(1失点目のあと、少しばたついて2失点目をしてしまった)そうですね。チーム全体として慌ててしまったところがあったと思うので、それを自分が後ろから見えている立場なので、声だったり、そういうのでもっともっと落ち着かせて、という部分もやっていかないといけないと思うんですが、今日は自分も慌ててしまってなかなか周りも見えていなかったので、そこは難しい部分でした。(お客さんが入った中での公式戦。ユースにももちろん応援はきてくださいますが、ユースもまた違う雰囲気も感じましたか)なかなかユースではここまで入らないですし、アウェイのサポーターもいて、声もなかなか味方同士届かないのでそういった難しさを開幕戦は初めてJリーグの試合に出て感じましたしこの経験を絶対に無駄にしちゃいけないと思うので、次に繋げていけたらいいなと思います

総評
宮本監督「立ち上がりは非常にいい入りをしたと思いますし、前半に関してもチャンスを多く作っていたところもあると思っています。それは、攻撃も守備もこちらが予想した以上の選手の集中力であったり、気持ちの入ったプレーが多く見られた試合でした。ただ、前半相手ペナルティエリア近くでの質というところが若干足りなかったので、それを修正するようにと後半出て行って、変わらず選手が相手ゴールに迫っていったと思うんですが、少しの判断のミスというところで失点に繋がって。0-1になったスコアをキープできていると違った展開になったかなと思いますが、0-2になってから相手も少し落ち着いたところでサッカーをしたと思いますし、1点でも返せればよかったとは思いますが。

Q「今日、Jリーグの監督として第1歩を踏み出し、昨日の時点では明日にならないと心境はわからないということでしたが、今日になって実際試合をやって、その心境やユースの時との違いなどあれば教えてください。」
宮本監督「今朝起きてみて、自分にすごく自信の気持ちの高まりもありましたし、試合を戦っていく試合中もたくさんのお客さんの声やチャントが聞こえて、やはりプロチーム、監督、試合だと強く感じましたし、やっぱり自分自身もそういったテンションの高い状態の中でどう冷静に判断していくかというのはこれからもっともっと磨いていかないといけないなと、改めて思いました。

Q「先週のステップアップリーグから比べると顔ぶれも変わって、前半に関してはいい時間帯も出たと思いますが、その短い1週間の中で修正されたところ、強調されたところがあれば教えてください。」
宮本監督「修正点は主に2つあって、先週はボールを奪ってから少し時間をかけて横に繋いでしまうことがあったので、ボールを奪って前に行こう推進力を持って行こうということがありましたし、もう一つも攻撃面ですが、インサイドハーフの選手ないしワイドの選手、サイドバックの選手が攻撃に関わるポジショニングを変えてというか、もう少し周りのスペースを意識するようなプレーを心がけるよう、そんなことを伝えました。

Q「監督が今日指揮を取られて、選手の良かったと思う点と、次の試合に向けてこうしていこうというのがあれば教えてください。」
宮本監督「けっこう発破をかけてスタートして、それに対して選手もやらなきゃいけないというところがあったと思うので、前半のいい立ち上がりになったと思うのでそれがよかったというか、それをスタンダードにする、落とさないようにしてもらいたいなと思います。次に関してはボールをうまく動かす中で、やはりペナルティエリアに入る精度を上げていかないといけない、シュートをもっと積極的に狙うとかというところを良くしていきたいと思います。

Q「昨シーズンに見たような相手の選手に当たり負けをしているところは感じなかったんですが、監督はフィジカル面どう感じられましたか。」
宮本監督「経験のある選手相手に多い中で、確かに体格差もあったりしましたが、立ち向かう気持ちというか姿勢はよかったと思いますし、1月の始動から取り組んでいるフィジカル面の強化も少しは成果としてあるのかなと思います。1試合の開幕のテンションだからできたというのではなく、これをスタンダードにしていくという点が大事だと思います。

Q「今日、相手の監督が森岡監督ということで、その辺で意識したところや特別な思いがあれば。」
宮本監督「意識は・・・、去年もやっていますし、一番最初にやらなくてもいいんじゃないかと思いますけど(笑)。まぁでも、試合なので、試合が始まればそういうのもなくやっていましたし、次はアウェイでこちらがしっかり勝てるように準備したいと思います。

Q「宮本監督からみて、対戦した鳥取の印象は。」
宮本監督「ボールを奪ってから早く攻めるという意識があるのかなと感じましたし、実際に後半失い方が悪くて、そこからどんどん数多く選手に出てこられて難しかったシーンもありましたし、それは注意していた点でしたが。後はドリブルが早い選手がサイドにいたりして、その対応は難しかったかなと思います。

Q「相手の森岡監督の采配についてはどのような印象を持ちましたか。」
宮本監督「こちらがリードされていたので、こちらがどう変化させるかというところにフォーカスがあったので、後半頭から少し変化があるのかなと思ったんですがそれはなかったので、もう一度ビデオを見直したいと思います。

Q「今日はスタメンが平均が18歳代ということで若い選手を非常に多く使われていて、中でも16歳の谷選手がゴールマウスに立たれていましたけど、彼に対する評価というか、今後彼にどういった成長を期待しますか。」
宮本監督「新高校2年生ですけど体格面も優れいていますし、先月末にもスペインの遠征に行ったりしたんですが、そこから帰ってきてからも非常に充実したプレーしていましたし、スタメンに入ってもおかしくないパフォーマンスだったと思います。今日も存在感はあったと思いますが、まだまだやってもらわないと困るというか、キックの精度ひとつ、ふたつくらいパスが乱れたところもあったと思いますし、U-17以降の代表になっていくような人材だと思うので、もっともっと質を上げていってもらいたいと期待しています。

Q「プロチームを率いる、特にU-23というのは少し特殊だと思いますが、そこを率いる難しさであったり、今後このカテゴリーの中で勝利を掴んで上にいく中で、1試合ですが、何か感じていることがあれば。」
宮本監督「今日みたいな若い選手がたくさん出て、経験をしっかり積んでいく。それを1試合、2試合、3試合で終わるんじゃなくて、1シーズン通してたくさん出ることによって成長に繋がると思うので、それをチームの成績に反映していくのはなかなか簡単なことではないですが、そのディテールの部分であったり、勝負どころというのを選手に落とし込むことで、勝ち点は積み上げられるところはあると思います。

Q「試合前に発破をかけたとありましたが、プロの監督の初戦として、何か特別な言葉を選手にかけましたか。また、試合後にどんな言葉をかけましたか。」
宮本監督「試合前はそれぞれが持っている才能をお客さんに対して売るように言いました。お客さんはそこにお金を払って見に来るわけだから、そういうものを出さない消極的なプレーは意味がないから、逆に自分の才能を見せようとチャレンジすること。そのチャレンジのミスに対してはなんら問題ないということは言いましたし、選手は積極的にやってくれたと思います。試合が終わってからは、切り替えようということと、ペナルティエリアの質を改善しようということを話しました。


[レビュー]若きガンバが見せた可能性と課題。後半、2度の隙を突かれ、G大阪U-23が黒星スタート

試合前から市立吹田サッカースタジアムには「宮本ガンバ」のチャントが繰り広げられ、若き指揮官が率いるG大阪U-23への期待感が高まっていた。
そんな雰囲気を感じ取らない指揮官ではない。「それぞれが持っている才能を売るように」。宮本監督が試合前に選手にかけた言葉は野心に満ちた選手たちへの最高のモチベーションになっていた。

先発の平均年齢は18.45歳という若いメンバー構成で挑んだガンバだが、新加入の中原がアンカーを務め、キャプテンの森がインサイドハーフとして攻撃を牽引。立ち上がりから高い位置でプレスを仕掛けたり、局地戦で激しい球際の戦いを見せたりと宮本ガンバが目指す方向性の一端を披露。試合の入りに成功したガンバ大阪U-23はほぼ一方的に鳥取を押し込むことに成功する。
前半に関してもたくさんチャンスを作れていたところはあった」と一週間前に行なわれたステップアップリーグとは見違えるような連動性を見せた選手たちへの手応えを口にした宮本監督。「いい試合だが、勝たないといけない」と檄を飛ばして送り出した後半、若さ故の隙に付け込まれる。

前半は一本の枠内シュートも許していなかった鳥取に対して、63分、最初の枠内シュートで先制点を献上。精神的に気落ちする選手は誰もいなかったが、わずか4分後の67分にも追加点を献上する。
0対1になった後、そのスコアをもう少しキープ出来ていればもう少し違った展開になったと思う」と宮本監督はエアポケット的に発生した4分間での連続失点を悔やんだが、最終ラインを束ねる野田もチームとしての甘さをこう省みた。
「ボールを持てても点が取れないと試合には勝てない。そういう中で失点がトントンと続いてしまったのは自分の責任だと思います」。

ユース組や2種登録の選手を用いながらも、チームとして目指すのはガンバの生命線でもあるボールを大事にするサッカーだ。シュート数では鳥取の5本を大きく上回る11本を放ちながらも、0対2で敗戦。だからこそ、カウンターへのリスクマネージメントが不可欠であることを思い知らされたJ3の開幕戦だった。

ただ、指揮官も選手たちも敗戦の中に確かな光明は見いだしている。「前半もいい立ち上がりになった。それは良かったというか、あれをスタンダードにする、落とさないようにしてもらいたい」と宮本監督は前半のアグレッシブな戦いを評価。チーム最多のシュート4本を放った森も「今日の内容は、前向きにとらえていいと思う。最低限チームとしてJ3で戦えることは示せたと思う」とキッパリ。

前半に得た手応えと、後半に露呈した甘さは若きガンバへの経験値になるはずだ。

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