2017.3.20(月 祝) 14:00〜 明治安田生命J3リーグ 第2節 相模原@吹田S
[プレビュー]今季初勝利へ仕切り直し。相模原をホームで迎え撃つ

宮本監督にとってデビュー戦となった開幕戦の鳥取戦では黒星発進となったガンバ大阪U-23だが、選手たちは既に気持ちを切り替えている。

「前節は悪くないゲームだったというのがチームの皆の共通認識」とキャプテンの森も、鳥取戦で見えた収穫をポジティブにとらえている。ただ、同時に若きキャプテンは長丁場のリーグ戦が決して甘い場でないことも覚悟済みだ。
「これから対戦する相手は去年の順位だけでいうと鳥取よりも強い相手が続いて行く。ホームですし、今週の試合はとにかく結果にこだわって戦いたい。若いチームなので勝つ事が一番の薬になる」(森)。
 
鳥取戦で出た課題を修正することは不可欠だが、相模原相手にガンバ大阪U-23が目指すのは勝利、という結果にこだわり抜いて戦うことだ。
前節はガンバユースからも4人が先発に名を連ねるなど若い選手が多いチームだけに勝てば一気に勢いがつくはず。そのためにも、主導権を握っている時間帯に、相模原のゴールネットを揺さぶることも不可欠になる。

プロ3年目の嫁阪も今季は、前線を託されているが「監督からは縦への突破も求められているし、内側に切り込んでシュートも打たないとダメ」と主力としての自覚を口にする。アンカーを務める中原とインサイドハーフの森の縦のホットラインは現在のチームの生命線だが、ボールポゼッションをいかにフィニッシュにつなげるかが今節の課題となる。
昨年は1勝1敗に終わっている相模原だが、今季は新加入の選手が数多く加わり、チームベースの大半が新戦力。開幕戦では長野相手に0対1で敗れているが、トップ下の菊岡や清水でJ1経験もある辻尾らは要警戒。前節は途中出場した193センチの長身FWジョン・ガブリエルも侮れない存在だ。

前からのアグレッシブなプレスと、パスをつなぐ距離感など徐々にチームとしての形も見え始めているガンバ大阪U-23。今季は原則、オーバーエイジ枠の選手を用いないため、選手全員が実戦を通じてしたたかさを身につけたい。宮本監督も言う。「試合巧者ぶりも若い選手は身につけて行かないといけない」。

J3には元日本代表経験者やJ1で実績あるベテランを擁するチームも決して珍しくないリーグだ。「1試合でも早く宮本監督に初勝利をプレゼントしたいと皆、が思っている。勝つために僕も自分がやれることをしっかりとやりたい」(郡)。ホームで仕切り直しとなった第2節で、今度こそ宮本体制の初白星を勝ち取りたい。


ハーフタイムコメント
前半いい時にできていたように、相手が前にかかっているので、裏返す為にランニングを続けよう。
もう一度ハードワーク。もっとやれるしもっとやらないと。
ホームでこんなゲームで終われない。やってきたことをしっかりと出そう!!!

明治安田J3 第2節●0-1相模原@吹田S
先週の開幕から2戦連続ホームで開催されたG大23。初勝利を掴むことのできなかった宮本監督率いる選手たちは、2節の今日こそはホームの熱い声援で勝利を掴むべく相模原戦に臨んだ。
相模原戦よりケガの一美が復帰。またトップチームで活動していた平尾、食野が戻ってきて、スタメンに名を連ねた。
前半、中原を起点に大きくピッチを使いながらゆったりとパスを回す。ボールは繋がるものの前への推進力に欠け、ボールを下げるシーンも見られる。
13分、相模原ボールのスローイン、クリアミスから大きくゲームが動く。拾われたボールを繋がれ、ペナルティアークからフリーで打たれたミドルシュートが右隅に決まって先制を許した。この失点が相模原のファーストシュート。早い時間に追う展開となった。
前半のうちに1点を返しておきたいG大23。パスを繋ぐもミスが目立つ。前半は1失点で折り返した。
ハーフタイム、「ホームでこんなゲームで終われない。やってきたことをしっかり出そう。」と宮本監督。ハードワークを求めた。
後半の頭には、サイドバックの臼井を下げて食野がピッチへ入った。
しかし、後半、アクシデントが続く。後半開始早々の48分、野田が2枚目のイエローカードで退場し、10人で追う展開となる。これによって、中原を下げて、ペとセンターバックを組んだ。人数は減ったもののボールも保持し、チャンスは作れている。
62分に森がフリーで打ったシュートが相手選手の手に当たりFKを得る。普段から練習していたという森の右足からのキックは惜しくもポストに当たり跳ね返った。
さらに、65分にはペも今日2枚目のイエローカードで退場。9名で追いかける展開となった。これにより、高がセンターバックの位置にポジションを移して中原とコンビを組み、森がボランチを務める。
67分、嫁阪に代えて、妹尾を投入しフレッシュな選手で人数が少ない中でも得点を狙う。食野もドリブルで切り込んで、ロングシュートでゴールを狙うなど、難しい展開の中でも、最後までしっかりと戦った選手たち。
しかし、0-1のまま試合終了を迎え、今節G大23は勝利を手にすることはできなかった

[ 宮本 恒靖監督 ]
前半の試合が動いていく時間帯の中でこちらにミスが出たことで相手に決定的なチャンスを作られてゴールを決められて、その以後も受けてしまったかなという印象があった前半だった。後半から少し、やり方を変えて最初はいいスタートというかシュートがあった中で、これからどう試合が変わっていくかなという中で退場者が出たので難しい展開にはなりましたし、2枚目のレッドカードも含めて難しい試合の中でしたけど、選手は最後まで戦っていたと思います。

−−2人の退場者が出たが、いずれもセンターバックだった。彼らにはどんなことを伝えましたか。また、9人になってからどんなことを選手に伝えたのか教えてください。
そこに関しては例えば野田(裕喜)に関しても同じようなプレーだったり、(ぺ)スヨンに関しても1枚センターバックがいなくなった中でああいうプレーをしてしまうのは若さだけでは片付けてはいけないと思うし、サッカーの理解というかその辺はしっかりと伝えていかないといけないと思います。9人になってからは、それでも選手たちがしっかりとバランスを見つけながら戦っていたので、ワンチャンス、もしかしたら2つぐらい来るかもしれないのでとは言いました。

−−負けたが一美(和成)選手が前節にはない機能性を見せたり、食野(亮太郎)選手が投入された後はテンポも上がったのは収穫だと思うが、チームとしての評価は?
ただ、前半に関してはスローというか相手の狙いに、はまったままサッカーをしていた印象があるので、もう少し相手が嫌がるところに顔を出したり、背後を取ったりということをやろうという中で、上手く変化を付けたとは思うのでそれはプラスだと思います。ただ、その時間が少し短すぎたので、もう少し見たかったですね。

[ 食野 亮太郎 ]
−−後半から投入されて流れを変えたが?
ハーフタイムに、試合に入るにあたって、自分のところで起点になって流れを変えようという思いでピッチに入ったし、野田(裕喜)君の退場と(ぺ)スヨンの退場は不運なものでしたけど、9人になってからもボールを保持する時間は長かったし、攻めの形も作れて得点の匂いもしていたので、そこで決めきれなかったのは自分たちの力不足。僕ももっと局面を打開しないといけなかった。連係不足もあったとは思うが、そこは1年を通じてしっかりとやっていきたいと思います。

[ 野田 裕喜 ]
−−少しもったいない場面での警告が退場につながったが?
前半のカードも自分のミスですし、後半のも判断ミスというか、いかなくてもいい場面だったので、自分のミスです。

−−前半からビルドアップでもミスがあって、野田選手らしからぬ苛つきもあったように見えたが?
なかなか合わないなという感じで、後半は3バック気味にいこうという中での、自分の退場だったのでチームの皆に迷惑をかけてしまった。

−−宮本 恒靖監督や山口 智コーチから何か言葉は?
いや、何も言われていないです。

−−チームとしてテンポが上がりかけていた時間帯での退場だけに責任も感じていると思うが?
前半、ふがいなかったので。一発目ガツンといこう、というところで、いかなくても良かったのかなと。ミスです。

[江 麗央]
(9人になってサイドバックに。どこを気をつけてプレーしていましたか?)守備のポジションだったのでまずは失点しないことを意識していました。(サイドバックの経験は?)公式戦ではないです。記憶している中で高校の時に一度、練習試合でやったことはあります。プロになってからはないです。でも、まずは試合に出ることが大事だと思っているので、どのポジションを与えられても試合に出れれば僕はいいと思っているので、任されたポジションでしっかり試合に出て、やっていきたいと思っています。(サイドバックに入ってからも攻め上がる回数も多かったのは、監督の指示ですか?)そこは監督に要求されていた部分だったのでしっかりやろうと思っていました。

[森 勇人]
こういう経験というのはどこかで経験するだろうし、それを…しなくていい経験だと思うんですが、なぜこうなったのかをチームとして考えること。じゃあ、これが例えばトップチームの選手なら2人目が出たんだろうか、とか、一人目の退場の仕方もトップチームならあったのか、とか。そういう部分が若さだったと思うし、そういう中で僕自身もまだまだキャプテンとしてチームを落ち着かせることとか、これから入っていこう、後半、点を取りに行こうというときにもっともっと落ち着かせてプレーできたら、よかったのになとは思っています。(野田選手が退場になったあとも、森選手を中心にかなり攻めの意識は見せていたと思います)前半、あまりよくなかったので、ハーフタイムに監督に喝を入れられた部分はあったし、ボールは持てる相手だったので、人数が減っても気持ちがゴールに向かっていたから後半はよりゴールに向かうシーンが増えたんだと思います。そこはポジティブに考えていいところですけど、やっぱりホームで2連敗というのは、見に来てくれるお客さんには申し訳ないと思うし、自分たちも無得点で負けているからそこは反省点だと思います。

[ペ スヨン]
(退場について)一人退場者が出た上でのプレーだったので、まずは自分が冷静にプレーするべきだったと思いますし、自分もああいう形で退場になってチームに迷惑をかけたので反省しています。(チームの中での役割として、センターバックでどういうプレーをしたいと思っていますか?)できるだけ自分のポジションでリスクのない安全なプレーをすることが心得ていることの1つでしたが、今日の試合ではそれができなかったです。(コミュニケーションがとりにくい分、自分なりに工夫してプレーしているところは?)サッカーの試合に関わる言葉ならある程度、限られていますが、いくつかわかるようになったし、簡単な言葉は聞けるようになったので、自分も発信できる回数は少し増えました。でもまだまだ聞き取れなかったりするときもあって…そういうときは周りの選手の声を聞いて、それに応じてポジションを修正するように意識しています。

[一美 和成]
監督からは、自分の特徴を活かして1トップで体を張ってくれと言われていました。まだまだの部分もあったんですが、できる範囲で精一杯やりました。(収めることはある程度できていましたが、まだ連携のところはこれからという感じですか?)去年、やっていたメンバーとは違うメンバーもいるし、一人一人の特徴がまだわかっていない部分もあるので、そこは練習であわせていかないといけないと思います。(森選手からのスルーパスに反応していい動き出しをしたシーンも何度かあった。シュートまではいかなかったですが…?)そうですね、何本かはいい形で入って行けたし、彰吾くんとかがみてくれていたので。そこでしっかりシュートまでいけるようにしたいです。

総評
宮本監督「前半の試合が動いて行く時間帯の中で、少しこちらにミスが出たことで相手に決定的なチャンスを作られてゴールを決められて。その後も受けてしまったかなという印象があった前半だった。後半から少しやり方を変えて、最初はいいスタートというかシュートがあった中で、これからどう試合が変わっていくかなというところで退場者が出たので難しい展開にはなりましたし、2枚目のレッドカードも含めて難しい試合でしたけど、選手は最後まで戦っていたと思います。

Q「2人の退場者が出ましたが、いずれもCBでした。彼らにはどんなことを伝えましたか。また、9人になってからどんなことを選手に伝えたのか教えてください。」
宮本監督「そこに関しては、例えば野田に関しては同じようなプレーだったり、スヨンに関しても1枚CBがいなくなった中でああいうプレーをしてしまうというのは、若さだけでは片付けてはいけないと思うし、サッカーの理解というかそこら辺はしっかりと伝えていかないといけないと思います。9人になってからは、それでも選手たちがしっかりとバランスを見つけながら戦っていたので、ワンチャンス、もしかしたら2つぐらい来るかもしれないのでしっかり戦おうとは言いました。

Q「負けた試合とは言え、一美選手が前節にはない機能性を見せたり、食野選手が投入された後はテンポも上がったのは収穫だと思うが、チームとしての評価は。」
宮本監督「前半に関してはスローというか、相手の狙いにはまったままサッカーをしてしまっていた印象があるので、もう少し相手が嫌がるところに顔を出したり、背後を取ったりということをやろうという中で、上手く変化をつけたとは思うのでそれはプラスだと思います。ただ、その時間が少し短すぎたので、もう少し見たかったですね。


[レビュー]痛恨だった2つの退場劇。自ら流れを失ったガンバ大阪U-23が連敗スタート

前節、鳥取に惜敗した悔しさを返すべく、ホームでの必勝を誓ったガンバ大阪U-23。開幕戦に不在だった一美と平尾が先発に名を連ね、立ち上がりから戦う姿勢を見せていた若きガンバだったが13分、ミスから始まった流れで相模原に先制点を献上する。
こちらにミスが出たことで相手に決定的なチャンスを作られてゴールを決められて、その以後も受けてしまったかなという印象があった前半だった」(宮本監督)。
 
一美がフィジカルの強さを活かして、最前線で起点として奮闘。しかし、決定的に崩し切るまでには至らなかったもどかしい展開に、宮本監督は個の打開力を持つルーキー、食野を後半から投入する。47分には食野と江のコンビネーションから左サイドを崩し切ると、森がフィニッシュ。攻撃へのギアを上げ始めた時間帯に、思わぬアクシデントが降り掛かった。
前半すでに警告を受けていた野田が、CKの流れで前線に攻め残っていたが、最前線で相手を倒し、2枚目の警告で退場処分。「判断ミスというか行かなくてもいい場面だったので、自分のミス」と野田は悔やんだが、若きガンバは数的不利での戦いを強いられる。

もっとも、フィールドプレーヤー1人少ない展開で全体の運動量が上がったり、スペースに走り込んだりとより攻撃へのギアを上げ始めたガンバ大阪U-23。「僕らがボールを持てる相手だったので、人数が減っても気持ちがゴールに向かっていた」とキャプテンの森を中心に相模原ゴールに向かうと、65分には森が直接FKをポストに当てるなど徐々にゴールへの予感が漂い始めて行く。

後半だけで2度の決定機を作り出し、数的不利を感じさせないアグレッシブな戦いを見せていたガンバ大阪U-23に、この日2度目の「エアポケット」が待っていた。
66分に、1枚警告を受けていたペがハンドの判定で2枚目の警告を受け、退場に。CB2枚を欠くという絶体絶命の状況に追い込まれながらも、中原が最終ラインで持ち味の散らしを見せながら、ガンバ大阪U-23だったが、前節ホームで黒星スタートの相模原も、懸命に体を張って最後の一線は譲らない。

2枚目のレッドカードも含めて難しい試合の中でしたけど、選手は最後まで戦っていた」。宮本監督はフィールド上の9人が見せたリアクションを労ったが、チーム最多となる3本のシュートを放ったキャプテンの森は「ホームで2連敗というのは見にきてくださったお客さんに申し訳ないし、無得点で負けているのでそこは反省点だと思う」と悔しさを隠さなかった。

一つのプレー、一つのミスが命取りになるのがプロサッカーの世界。この経験と悔しさを次節にぶつけるしかない。

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