2018.3.17(土) 13:00〜 明治安田生命J3リーグ 第2節 鹿児島@鴨池
[プレビュー]開幕戦の勢いを受け、若きガンバが目指すのは連勝のみ

「逆転で勝ち切れたのは自分たちにとって自信になるし、次の試合に向けて弾みがつく」。高がこう振り返ったように、開幕戦でガンバ大阪U-23は2点のビハインドをはね除け、今季初勝利をつかみ取った。
放ったシュート数は実に18本で、エース一美や食野らアタッカー陣が躍動。ガンバの表看板である攻撃力で盛岡をねじ伏せた開幕戦だったが、宮本監督は「勝てたことはいいことだが、この試合を教訓に更に成長して欲しい」と更なる高みを目指している。
勝って兜の緒を締めよ、の言葉通り、若き選手たちにも油断はない。「試合の入りが良くなかったのは課題。ただ大崩れしなかったのは昨年までと違うところ」と高が言えば、ボランチで新境地を開拓中の江も「まずは守備からというのを意識している」。
オーバーエイジ枠3人が加わったこともあり、連携面では課題を残したガンバ大阪U-23だが、宮本ガンバが目指すのは攻守にコレクティブさを忘れない攻撃サッカーだ。

昨季終盤6試合を負けなしで乗り切り、チームとしての一体感を見せる若きガンバにとって、鹿児島戦はその真価を見せつける格好の舞台になるはずだ。
今節アウェイで対戦するのは昨季のJ3で4位の鹿児島。就任2年目の三浦監督は攻守両面でタフに戦いを挑んで来るチームだけに、簡単な試合にはならないはずだ。2年連続でJ3得点王になった藤本が移籍し、攻撃の形を再構築中の鹿児島は開幕戦で鳥取に敗れているだけに、ガンバ大阪U-23相手に必勝を誓って来るはず。
新加入のアレックスやキリノらブラジル人アタッカーなど、確かな個を持つ選手を封じることは不可欠になる。

鹿児島戦の翌日にトップの柏戦が控えていることもあり、オーバーエイジ枠の顔ぶれは不透明だが「トップに食い込むために、J3で結果を出す」(高)とモチベーションが高い若手は、誰がピッチに立とうとも高い意識でプレーするはずだ。
開幕から勝ちに見放されていたトップに刺激を与えた若きガンバだが、トップもルヴァンカップで待望の今季初勝利。ルーキーの中村がプロ初ゴールを飾ったことは一美や食野らに更なる刺激を与えるに違いない。「点を取り続けて、トップに絡みたい」と一美が2戦連発を誓えば、開幕戦で最多となる6本のシュートを放った食野は「もっと点を取れるチャンスがあった。そこを更に決めて行きたい」と2得点にも満足感はない。
J3屈指の個の力を持つ鹿児島に勝ちきり、開幕ダッシュを飾りたい。若きガンバが目指すのはJ3で初となる連勝スタートだ。


アライバルインタビュー
守備面でしっかり対応していきたい

ハーフタイムコメント
点をとるため、運動量をふやす

まず、1点をとって2:4にする

後ろはミスが有ったけど、切り変えてやろう

2018明治安田J3 第2節 ●1-4 鹿児島@鴨池
開幕戦、劇的な勝利を果たしたG大23。今シーズン初めてのアウェイは鹿児島戦。前節ピッチに立たなかった谷、野田がスタメンで出場。
キックオフ早々の3分、ペナルティーエリア内で相手にPKを与えて先制されると、16分左サイドを突破され、上げられたロスから再び失点。その3分後、左サイドでCKを獲得し、芝本のキックに走り込んだ菅沼がヘディングシュートで1点を返す。しかし、38分と45+1分に続けて失点をしてしまい、3点を追いかけることとなった。
後半、福田に変わって白井がピッチへ。試合の主導権を握るようになる。ボールを持つ場面も続き、敵陣深くまで入ってチャンスを作り出すが、相手の固い守備の前でなかなか決定機を作れない。森と江に変え、松田と山口をピッチに送り出すが、最後まで得点を奪えず、試合は1-4で終了した

[ 宮本 恒靖監督 ]
前節の反省を踏まえて、立ち上がりしっかり入ろうと話していたのに、開始早々に簡単にPKをとられ、早い時間に2点目も入れられてしまった。立ち上がりにまずい入り方をしてしまったことがこの試合に大きく影響した。3点目は相手のブロックを攻め切れずにボールを失い、ドリブルへの対応がまずくて与えてしまった。4点目はクロスへの対応ができていなかった。0−2から1点を返した後、もっと運動量を上げて戦うべきだった。J2に上がることを目指す相手に対して、それを受けるのではなく、上回る気持ちを見せなければならないと話していたにもかかわらず、それが出せなかった前半だった。まだまだプロとしての甘い部分が出てしまった試合だった。

[ 高 宇洋 ]
前節に引き続き、立ち上がりに失点してしまったのが痛かった。前半だけで4失点と守備の部分のほころびが目立つ。1対1の勝負で負けており、クロスへの対応も良くなかった。そういった部分をしっかり修正して、良い守備からの攻撃という部分を作っていきたい。後半は無失点に抑えることができたが、これは相手が引いてしまった部分が大きかったと思う。次はホーム戦なのでしっかり立て直して連敗だけはしないようにしたい。

総評
宮本監督「立ち上がりをしっかりと入ろうと、前節の反省を踏まえてという中で入ったんですけど、そこで簡単に1点をとられて、また2点目を早くとられてというところで、そこの時間帯の試合運びのまずさというのがこの試合全体通して影響をしてしまったと思います。去年から一緒に戦っているメンバーもいる中で、そういった甘さというか、相手の選手はJ2に上がるという決意を持って戦っている中で、それに対して、受けるのではなくてそれを上回るような気迫を持って戦わなければいけないということを伝えましたが、そういうものも出せず、試合が続いた前半だったと思います。後半になって少し良くなったと思いますが、そういった点も、まだまだプロとして甘いところが出た試合だと思います。

Q「前半に4失点になってしまったが、その理由は何ですか。」
宮本監督「最初の2点に関してはそういった試合に上手く入れなかったというところがあったと思うし、1-2になってからの3点目に関しても一人一人に対する対応であったり、その前の相手がしっかりブロックを作った中でどういうふうな攻撃を組み立ていくかというところの判断のミスがあったと思いますし、4点目に関してもクロスにしっかり対応することができなかったところが、0-2から1-2にして、その後時間帯にも少し運動量を出して、コンビネーションなんかが出ればよかったと思います。
Q「鹿児島ユナイテッドFCの攻撃陣への印象を教えてください。」
宮本監督「前線にアレックスとキリノという外国人選手がいるし、彼らにボールがおさまると厚みが有る攻撃があると感じましたし、今日に関していうとサイドから出てくる選手の数も前半は多かったという印象です。


[レビュー]ミスから招いた劣勢。ガンバ大阪U-23が守備で崩れ連勝逃す

開幕戦では2点のビハインドをものともせず、見事に打ち合いを制して白星スタートを切ったガンバ大阪U-23。「開幕戦はああいう展開で勝てたけど、まずはしっかりとした守備から試合に入りたい」とゲームキャプテンの高は鹿児島戦に向けて守備意識を高めていた。
盛岡戦で2ゴールを叩き出した食野が不在で、初瀬に代わって左サイドバックを務めるのは前節、ボランチで好プレーを見せた江。トップの柏戦を翌日に控えることもあり、メンバー構成を変えて挑んだ若きガンバだったが、盛岡戦に続いて守備面で甘さが出てしまう。

簡単に1点をとられて、また2点目を早くとられてというところでそこの時間帯の試合運びのまずさというのがこの試合全体通して影響をしてしまった」と宮本監督はチームの課題を口にしたが、立ち上がり早々の3分に鹿児島にPKを献上し、追う展開を強いられた若きガンバも攻撃を加速する。
11分にはFKから芝本のキックで決定機を作り出し、15分にも「サイドバックでのプレーに手応えを感じている」と話す森が右サイドを攻め上がって高木がシュート。鹿児島を押し込み始めた時間帯に、相手クロスを17歳の守護神、谷が触りきれず、痛恨の2点目を献上した。

16分で2点を追う展開を強いらえる苦しい流れでも、折れないのが今季のガンバ大阪U-23。19分には芝本のCKをオーバーエイジの菅沼が頭で合わせて、反撃の狼煙を上げる。
開幕戦で見せた逆転勝利の再現を目指した選手たちだったが、2トップをブラジル人FWで構成する鹿児島は「彼らにボールがおさまると厚みが有る攻撃があると感じたし、今日に関していうとサイドから出てくる選手の数も前半は多かった」と宮本監督。
サイドで数的有利を作られる展開に38分、そして前半のアディショナルタイムにそれぞれ追加点を許し、前半だけで4失点したガンバ大阪U-23は後半からアカデミー育ちの白井や高卒ルーキーの松田と山口をそれぞれ投入。反撃を図るものの、鹿児島を崩し切るには至らず、セットプレーや単発の攻撃に終始した。

83分には2試合連続ゴールを目指すエース、一美が強引にシュートを放つも枠はとらえきれず、1対4のスコアのままタイムアップのホイッスルを聞いたガンバ大阪U-23。後半は鹿児島をわずか1本のシュートに抑えたものの、前半に喫した4失点は重く選手たちに伸し掛かってしまった。
まだまだプロとして甘いところが出てしまった試合」(宮本監督)。J2昇格を目指す難敵に、勝負の厳しさを教えられた鹿児島戦だった。

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