2019.3.13(水) 19:00〜 JリーグYBCルヴァンカップ 第2節 松本@パナスタ
[プレビュー]渡邉・高が語るルヴァンカップ グループステージ 第2節 vs 松本 ― 勝ちが欲しい松本山雅戦。必要なのは攻撃陣の奮起

ルヴァンカップのグループステージ初戦は、あくまでも敵地で勝ちに行ったガンバだったが、一瞬の隙を突かれ痛い黒星を喫した。
「ガンバとしてルヴァンカップも狙わないといけない大会。グループステージでは特にチーム力が問われる」と渡邉も言い切るように、週末に川崎とのリーグ戦が待つガンバにとっては総力戦で挑む松本山雅戦になる。
「攻撃でもっと迫力を出さないとダメ」と敗れた前節を振り返ったのはボランチの矢島だ。守備面で大崩れはなかったものの、磐田戦ではシュート3本。グループステージの突破に向けて、内容はもちろんだが、結果が最優先となる松本山雅戦では攻撃陣の奮起が不可欠になる。

迎え撃つのはパナソニックスタジアム吹田では初めての顔合わせとなる松本山雅。J2からの昇格組だが、反町監督が叩き込んだハードワークと堅守は健在だ。グループステージ初戦はターンオーバーしながらも清水に2対1で勝利。「相手はハードワークしてくるスタイル」と高が警戒感を口にするように、走り負けは禁物となりそうだ。
リーグ戦を含め、未だホームで勝ちがないガンバ。「サポーターの方に勝利を届ける」という渡邉の言葉をチーム全員で体現したい。

FW39 渡邉千真「カップ戦のタイトルもガンバにとっては狙うべき重要な大会ですが、磐田との初戦で負けてしまったので、次こそはホームでサポーターに勝利を届けたいと思っています。どんな顔ぶれで松本山雅を迎え撃とうと、年齢的にも僕が引っ張っていく立場なのでチームを勝たせることができるように貢献したいと思っています。松本山雅は今季、J2からの昇格組ですが、Jリーグには簡単に勝てる相手は存在しないので、強い気持ちを持って試合に挑みたい。松本山雅は運動量が多くて、守備が堅いですが初戦の負けをここでしっかりと取り戻すつもりです。」

MF28 高宇洋「磐田戦は負けるような展開ではなく、もったいない形でしたが攻撃面では課題が出たと思っています。次の松本山雅は相手もファイトしてくる相手ですし、セカンドボールを拾うとか、球際で戦うといった僕の求められている事柄が試されることになるはずです。ボランチとしてもっと、周囲を動かす声かけも必要になってきますが、とにかく次はホームでしっかりと勝たないといけない一戦です。個人的にはピッチに立つ全ての試合でレベルアップしていきたいですし、アピールの場にもなります。まずはガンバとして結果を出し、僕自身も良い評価をされたいですね。」


ハーフタイムコメント
いいゲームが出来ているが、まだ45分。気をひきしめよう。
相手にしっかりプレッシャーをかけよう。
球際にしっかりいく。

2019YBCルヴァンカップグループステージ第2節 ○2-1松本@パナスタ
ルヴァンカップ第2節はホームで迎える松本戦。
第1節の磐田戦からメンバーを大きく変更し、直近のリーグ・名古屋戦を戦ったメンバーをベースに、ボランチには高、センターバックには菅沼、そして三浦が右サイドバックに配置され、システムも4-2-3-1と変更して臨んだ。
試合は立ち上がりで失点を喫した名古屋戦の反省を活かしたい序盤だったが、6分。ペナルティアーク付近でハンドを取られFKを与えると、そのFKを直接決められ、またしても試合開始早々に失点を許してしまう。
早い時間に同点に追いつきたいガンバは、最終ラインとボランチに入った高を中心にボールを回してポゼッションを高めていくものの、トップ下の遠藤、そして前線のウィジョ、アデミウソンに良い形でボールを渡すことが出来ず攻めあぐねる展開が続く。
しかし31分。中盤での縦パスをカットされるが、再度ボールを奪取すると前線のウィジョへボールが渡る。そのウィジョが小野瀬にパスを通すとそのままニアサイドを打ち抜いて同点ゴールを挙げる。
さらに直後の35分には、アデミウソンが中盤でボールを奪取しドリブルで持ち上がるとウィジョへラストパス。そのボールをウィジョが落ち着いてゴールへ沈め、すかさず逆転。流れはガンバのまま試合は1点リードで折り返す。
両チーム交代無くスタートした後半は得点に動きがないまま15分経過。
先にベンチが動いたのは松本。60分、そして70分に選手交代を行い1点を奪うため攻勢を強める。一方ガンバは交代が無いまま試合を展開。前半よりも前線の選手にボールを当てながら相手陣内に押し込み攻め入っていく。そんな中とどめの3点目を奪いに行きたいところだが、決定機を演出するまでには至らない。
86分にはウィジョに代えて渡邉を投入。89分にはアデミウソンがカウンターでボールを持ち上がると、ゴール前で渡邉へパス。渡邉がシュートを放つがボールはGK正面に行き決定機を物に出来ない。
90分には足を攣った小野瀬に代えて藤本、そして遠藤に代えて今野を投入。
アディショナルタイムの4分間は、ペナルティエリア付近にボールを集まられるも、DF中心に守りきりタイムアップ。
今季ホーム・パナスタでの初勝利を飾った。

[ 宮本 恒靖監督 ]
−−今日は何人かメンバーを替えて配置も変わりましたが、倉田 秋選手を真ん中で起用し、三浦 弦太選手を右SBで起用しました。ほかの選手もそのポジションにいる中で、その2人を起用した狙いを教えてください。
弦太を右というところは、少し今季始まって失点が多いというところで、守備を固めてというところと、あとは菅沼(駿哉)がルヴァン第1戦で良いパフォーマンスをしていたので、彼が入ることで良い流れをチームにもたらしてもらいたいというのがありました。

倉田の真ん中に関しては、ボールを奪うにあたってのプレッシャーのスピードであったり、奪ってから前に運んでいける推進力であったりというのを期待しながら起用しました。高(宇洋)と2人で、相手のシャドーをしっかりと見るための機動力も必要だと思っていたので、そういったところから使いました。


−−この起用は今日の試合に向けて準備したのか、それとも次の川崎F戦など先を見据えての起用なのでしょうか。
もちろんシーズンを見据えて考えていますし、対戦相手の性格によってメンバーを替えたりとかもある中で、選手の配置を変えて、例えばヤット(遠藤 保仁)を前に置くことで彼のサッカーIQの高さが出て、いろんなところにポジションを取ったり、またプレッシングのスイッチ役になったりと良いところも見られました。アデミウソンも左に置くというところで彼のコンディションの良さも考慮した上で、そこに置いてまた中に入っていったりとか、いろいろな変化、いろいろな動きは見せてくれたかなと思います。

[高 宇洋]
本当に勝ちが一番欲しかったので、こういう形でしたけど勝てて良かったです。

−−守備だけでなく、縦パスも積極的に入れていたが?
監督からは守備のところでバランスをとってつぶす部分と、シャドーやトップにボールが入ったときのプレスバックを役割として与えられていたので、そこは絶対的に意識していた。ボールを奪うこともできたし、攻撃に関しても、良い守備から入ると自分の中でも良いメンタル状態で、攻撃にもつなげられたので良かった。

−−また失点から試合が始まったが、そこに関しての動揺は?
いやあ、持ってないなと思いました(笑)。FKで立ち上がりの失点だったけど、崩されたわけでもないのに、これが入ってしまうかと思いました。自分でも俺は持ってないなと思いましたけど、ここで下を向くと何も変わらないので普通にプレーしました。

[三浦 弦太]
−−右SBでの先発だったが、何を考えてプレーした?
久しぶりだったので、感覚的にまだまだSBの感覚に戻っていなかったけど、立ち位置とか、どちらかというと攻撃より守備を意識してプレーしました。

−−宮本 恒靖監督からもそういうことを要求された?
そうですね、すごく攻撃的というよりはタイミングもあれば、攻撃に行くけど基本的には守備が大事だった。

−−これまでにSBで起用された試合より攻撃参加が少なかったのは、感覚的にまだ久しぶりということも影響した?
そうですね。クロスもそうだし、ひさびさにやるので自分の中ではぎこちなさを感じながらやっていた。

[遠藤 保仁]
(トップ下でプレーし、ポジションを細かく変えながらボールをたくさん触った試合でした)前半はあまり相手のプレスというか、相手も元気がありましたし、なかなかうまくいかないところもありましたけど、後半相手の足もとまってきて、リードしている状況だったので、慌てることなくチーム全体としてやれたと思うし、あのポジションにはいればいろんなところに顔を出しながら、というのはイメージしていたので、前と横とうまく連動しながらやれたのかなとは思います。(ハーフタイムには菅沼選手に後ろからしっかりボールをつけてくれ、というような話もしたと伺いました)そうですね。サイドバックのところにはめにくるというのは前半から見てとれたので、センターバックから相手がプレスをかけにくいような形をとっていこうという話はしましたし、そういう意識をしながらチームとしてうまくビルドアップをしていければと思っていました。(倉田秋選手と高宇洋選手のボランチはどうみていましたか?)秋ももともとボランチの選手ですし、ハードワークもできるので大きな問題はなかったと思いますし、どういう組み合わせになっても今日のようなボールをうまく回しながら前に進んで行くという戦い方をしたいと思います。(今日はトップ下でしたが、前にいてバイタルの近くで触るのと、ボランチでバイタルで触るのとどちらがやりやすいですか?)周りとの兼ね合いはありますが、トップ下で自由に今日は動いていたので、スペースをみつけながらっていうことを意識していたので、できればもう少し回数は増やしていきたいし、ただ下がるだけになると前が孤立するだけなので、そのへんのバランスとかを見ながら、できればバイタルエリアとか前を向いてプレーする機会は、トップ下でも増やしていきたいと思います。

[菅沼 駿哉]
(前につける意識も高かった)そうですね。ビルドアップのところで最初の方は僕のところでうまくいかなかったですけど、今週つなぐことをトレーニングしてきて、そこは怖がらずにつないでいこうといっていて、少しガンバらしいサッカーができたのかなと思います。(磐田戦でも今日のようなプレーを理想としていた)そうですね。磐田戦も狙っていたんですけど、なかなかずっとやり切るということができなかったのに対して、今回はミスをしてもみんながボールをもらう意識も高かったので、それを継続してやっていけたらいいなと思います。今日は松本の守備の仕方的に僕とヨングォンのところを狙ってくるのはスカウティングでわかっていたので、そこでどう裏返すかを考えながら入った。ただ最初はうまいことハマってしまって立ち上がりは難しい展開になってしまいましたが、徐々に慣れていくうちに落ち着いてやれたので、それは今後生かしていきたいです。(前回、ルヴァンの1戦目パフォーマンスは個人的によかったけどチームとしての結果が出ずにそれをすごく悔しがっていた。そういう意味では今回結果を出せたということは一番の収穫だと言える部分ですか)そうですね。今回はガンバとしても勢いに乗れていない状況もあって、どうしても流れを変えたいという試合だったので、自分もこの年齢になって勝負しないといけないし、巡ってきたチャンスはどうしてものにしたいと思っていたし、そのためには結果が必要だと思っていたので、それはよかったと思っています。(ボランチから前、遠藤保仁選手がトップ下、倉田選手がボランチに入りましたが、攻撃の部分は後ろからどう見ていましたか?)後ろから見ていても、ヤットさん(遠藤保仁)のところにボールが入れば流れは変わるなと思ったし、ヤットさんがトップ下の位置になって、自由にボールをもらえるポジションを常にとっていたので、ボールを後ろからつけたときもパッと前を向いてくれましたし、ハーフタイムにも「そこはどんどんつけてくれ」ということも言われていて、実際にあそこにつけて、そこにアデミウソンとかウィジョ(ファン・ウィジョ)が攻撃に加わっていったら怖い攻撃ができるなというのは感じました。

総評
Q「何人かメンバーを変えた中で、配置も代わっていたと思いますが、倉田選手を中で、三浦選手を右サイドバックで起用したと。他の選手もそのポジションにいる中でその二人を違うポジションで起用したという意図、狙いは。」
宮本監督「三浦を右というのは、少し今シーズン始まってから失点が多いというところで、守備を固めてというところと、菅沼がルヴァンの第1戦で良いパフォーマンスをしてくれて、彼が入ることでいい流れをチームにもたらしてもらいたいと思いました。倉田の真ん中に関しては、ボールを奪うに当たって、プレッシャーのスピードであったり、奪ってから前に運んで行ける推進力であったりというのを期待しながら、起用しました。高と二人で相手のシャドーをしっかりとみるための機動力が必要だと思っていたので、そういったところから考えて使いました。

Q「その起用は、今日の試合に向けて特に準備をしたのか、次の川崎戦とか、先を見据えての起用だったのでしょうか」
宮本「もちろん、シーズンを見据えて考えていますし、対戦相手の性格によってメンバーを変えたりとかということもあるなかで、選手の配置を変えて。例えば遠藤を前に置くことで、彼のサッカーIQの高さが出ていろんなところでポジションをとったり、プレッシングのスイッチ役になったりとか、いい面も見られましたし、アデも左に置くというところで、彼のコンディションの良さも考慮したうえで、そこに置いてそこから中に入っていったりとか。いろんな変化、いろんな動きを見せてくれたと思っています。

Q「遠藤選手のトップ下に置いたということですが、守備の強度、ボランチよりは強くいくというシーンは少ないかと思いますけれど、サッカーIQの高さというのはどういった面で見られていましたか?あと守備の面でプレスを限定するという意味では、いい効果が出ていたとご覧になられていますか。」
宮本監督「攻撃面で相手のペナルティエリア付近で背負ってプレーするのではなくて、トップ下の前向きなプレーを増やすというところで、みんながポジションのバランスを考えながらプレーをしようということを試合前に話をして。1点目、ウィジョから小野瀬にでた、ああいったところの敵陣でのパスの質を上げるという意味でも、いい動きというか、期待していたものが出たと思います。守備面に関しては、しっかりと4-4-2でセットするとかという中で、さっき言ったようなスイッチ役であったり、パスコースを限定した中で、寄せていくということがあったように思うので、ボランチとして、スライド、スライド、スライドの連続よりは、前にボールを奪いに行くところのほうが、良さが出るかなと思って今日は見ていました。

Q「1戦目のルヴァンはリーグ戦から大きくメンバーを変えましたが、今回は配置は変えましたが、メンバーを大きく変えませんでした。リーグ戦で少し結果が出なかった中で、チームとして成熟させることを考えたでしょうか、それとも何か他の狙いがあるのでしょうか。」
宮本監督「こないだの試合を振り返って見て、もちろん良くない点もあるんですけど、いい点もたくさんあったなという中で、このメンバーでやれる、またやりながらいいものを出すことで相手を上回ることができるだろうというところと、リーグ戦はホームで勝っていないのでそのホームで勝ちに行くんだというところを今日は求めてやりましたし、勝利というのはチームに自信を与えると思いますし、今後のリーグ戦であったりカップ戦に向けていい流れを作っていきたいという思いがあって、今日のメンバーで行きました。

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