2021.2.27(土) 17:00〜 明治安田生命J1リーグ 第1節 神戸@ノエスタ
[プレビュー]タイトル奪還への第一歩。二年連続の開幕白星スタートへ
昨季、見えかけたJリーグの頂を目指すガンバの戦いが再び幕を開ける。
「新しいシーズンをしっかりといい形で入れるように明日の試合を大事にしたい」とJ1リーグの開幕戦を前に、力を込めるのは宮本監督だ。
FUJI XEROX SUPER CUP 2021では川崎に2対3で競り負けたものの、今季ガンバが新たに取り組むボールを握る積極的な崩しの一端は、随所で発揮。2点のビハインドから試合を振り出しに戻した直後は新加入のレアンドロ ペレイラとチアゴ アウベスもガンバデビュー。迫力のある攻撃で早くもニューガンバの可能性の一端を見せつけた。

「公式戦1試合を戦ったが、チームとしてしっかりとサッカーを成熟させるための第一歩が始まる」と力を込めるのは守護神の東口。
昨季はアウェイで横浜F・マリノスを撃破し、9年ぶりの白星スタートを飾ったガンバだが、神戸戦でも目指すのは当然、勝ち点3の奪取のみである。
タイトル奪還に加えて、新スタイルの構築も目指す2021シーズンのガンバだが「積み上げてきたものがスムーズに試合で出るのはもう少し時間がかかるが、試合は待ってくれない。内容を作ることを目指しながら結果につなげないといけない」(宮本監督)。
新たに採用する4-3-3のフォーメーションで、能動的な崩しを目指す作業は道半ばだが、序盤から過密日程が待つリーグ戦では勝ち点を着実に積み上げることも不可欠になる。
「勝利することは結果だけでなく、モチベーションの面でも色々な意味がある」と三浦も話すように、まずは神戸相手に勝ち点3を手にしたい。

昨季の対戦では2戦2勝に終わっている神戸だが、拮抗した展開だったこともあり、指揮官と選手に油断はない。大黒柱のイニエスタはACLで負った負傷の影響で欠場が濃厚だが、「逆に守備のところではイニエスタに代わって、もっとハードワークできる選手が出てくると思う。一長一短だと感じる」と東口は警戒感を口にする。
前線にも古橋やドウグラスら警戒すべきアタッカーを擁する神戸に対して、やはり鍵を握るのは、試合運びのクレバーさになる。
「いい守備を保ちながらも、今取り組んでいる攻撃を出すというバランスが大事」(三浦)。
FUJI XEROX SUPER CUP 2021でも一瞬の隙を突かれて決勝点を許したガンバだが、押し込んだ局面でのリスクマネージメントはシーズンを通じてのテーマになるはずだ。
「リーグ戦の開幕は独特の雰囲気がある」と宮本監督が話す通り、高揚感と緊張感が満ちる開幕戦。ガンバが敵地でタイトル奪還への第一歩を踏み出す。


アライバルインタビュー

宮本監督「(アウェイでの戦いになりますが勝利に向けて)90分間しっかりと集中力を保って戦う、ハードワークする、それに尽きると思います。

ハーフタイムコメント
守備は我慢強く、共通意識をもって対応すること。
相手のプレッシャーを掻い潜ってチャンスを生み出そう。
後半、点を獲って勝ちきろう。

2021明治安田生命J1 第1節 ●0-1 神戸@ノエスタ
2021シーズン、リーグ優勝を目指すガンバの開幕戦。1週前にFUJI XEROX SUPER CUP 2021を戦ったガンバだが、「リーグ戦の開幕は独特。新しいシーズンしっかりといい形で入っていけるように戦いたい」と宮本監督はキャンプから磨き上げた4-3-3のシステムで神戸とのアウェイゲームに臨む。注目のスターティングイレブンにはDF昌子とFW宇佐美が顔を連ね、サブにはチュ セジョン、レアンドロ ペレイラ、チアゴ アウベスらの新戦力が控える充実の陣容。緊急事態宣言下で迎えた2021シーズンの開幕戦だが、ノエビアスタジアム神戸には4,636名の観衆が駆け付け、試合は17:03にキックオフを迎えた。

12分、神戸・井上に左サイド深くをえぐられシュート性のクロスを送られるが、これは東口が左足でセーブ。今日も立ち上がりかた東口のセーブで試合のリズムを得るガンバ。
しかし、その後は両チームともに攻撃の糸口を探り合う展開に。アンドレス イニエスタを欠く神戸は新加入の井上を中心に攻撃を組み立てるがフィニッシュには持ち込めず。対するガンバもインサイドハーフに入る井手口と矢島を中心に攻め手を探るが、神戸の厳しいプレッシャーを受けなかなかチャンスを生み出すことはできない。41分にはペナルティエリア内から宇佐美が左足を振り抜くが相手GK・前川のセーブに遭いゴールとはならず。ともに決定機を生み出せずに一進一退の攻防が続き前半終了。

ハーフタイムに神戸・三浦監督は1枚交代カードを切り藤本を下げ、ドウグラスを投入。
対するガンバ・宮本監督は「守備は我慢強く、共通意識を持って対応すること。後半、点を獲って勝ちきろう。」と前半と同じ11人をピッチに送り出す。52分、パトリックのポストプレーから右サイドの小野瀬に展開すると、カットインから左足でシュートを放つ。
強烈なシュートが枠を捉えるが、神戸GK・前川のセーブに遭い、ゴールネットを揺らすことはできない。62分には小野瀬の落としたボールから宇佐美が胸トラップで収め強烈なボレーを放つが、これも前川がセーブ。この試合、神戸GK・前川が好守を見せ、ことごとくシュートストップに遭う。直後の63分にはCKのこぼれ球から井手口が思いきりよく狙うが、わずかに枠外へ。後半も中盤に差し掛かり、ゴールを狙う両チームは選手交代で攻撃を活性化。65分、神戸はセルジ サンペールを下げ増山がピッチへ。対するガンバも67分に宇佐美、パトリックを下げ、尾とレアンドロ ペレイラを起用。3トップの頂点にレアンドロ ペレイラが入り、小野瀬が攻撃的な位置へ。2枚代えで積極的にゴールを奪いに行く宮本監督。72分、神戸・古橋のカットインからの右足シュートはクロスバーを直撃し、難を逃れる。続く74分にはバックパスの乱れから神戸に決定的な場面を作られるが、昌子のカバーリングで凌ぎ、無失点で耐えるガンバ。76分には矢島、川ア、倉田、チュ セジョンがピッチに。期待の新戦力を起用し、さらに攻撃に出る。しかし79分、神戸が一瞬の隙を突きチャンスを迎える。ピッチ中央で山口からのスルーパスが古橋に通ると、昌子のマークを振り切りループシュートを放つ。これがGK・東口の頭上を越えるとゴールに吸い込まれる。終盤に先制され、神戸に1歩リードを許す苦しい展開に。
リードを奪った神戸は直後に井上と古橋に代え、田中と安井がピッチへ。逆に1点を追いかける展開となったガンバは81分、井手口に代わり、チアゴ アウベスを投入。交代カードを使い切りまずは同点ゴールを奪いにいく。最後までゴールを目指すガンバだったが、神戸にうまく時間を使われ、攻撃の形をつくることはできず試合終了。2年連続の開幕戦勝利とはならなかった。

[ 宮本 恒靖監督 ]
−−FUJI XEROX SUPER CUPから少しメンバーの入れ替えがありましたがその理由と、その試合でうまくできていた部分がなかなか今日はうまくいかなかった部分もありましたが、そこについてのお考えを聞かせてください。
メンバーの変更はどういうふうに試合を進めようかというところで、メンバーの変更があったというところですし、試合の入りで少し受けてしまったところがあって、ちょっと守備の強度が低かったところがあり、相手のボール保持の時間になってしまったかなと思います。

−−FUJI XEROX SUPER CUPでうまくいっていた部分がなかなか今日出せなかったのはどういう理由があるとお考えですか。
うまくいっていたというところはどういうところでしょうか。

−−後半はボールがスムーズに回った時間もあったと思いますが、今日はなかなか右サイドの連係もギクシャクしているように見えたのですが。
それは、キャスティングもありますし、もちろんその、コンディションの問題も、誰がどういうコンディションにあるのかという、コンディションのバラつきというのもまだあるので、そういうところも少し出たかなと思います。

−−守備がハマらなかったところでいうと、ちょっと両ウイングのところで、宮本監督がおっしゃるキャスティングの問題なのか、コンディションの問題なのか、両ウイングの守備の強度が連係面などで、そこも少し足りないところに見えましたが、課題や今後の展望をどうお考えですか。
そうですね、そこの強度のやはり、物足りなさが途中まであったので少し受けに回るところはあったと思いますし、それは個々の判断であったり、中での声であったり、少し後ろに重いところが見受けられた立ち上がりだったかなと思っています。

[昌子 源]
−−失点場面を振り返るとCBとしては防ぎようがなかったのか、どういうふうに分析していますか?
もちろんいろいろな状況があった中で一瞬のスキを僕も突かれてしまいましたし、ボールを出したのはおそらく(山口)蛍くんだったと思いますが、そこへのプレッシャーもほぼない状態だったのと、僕の記憶が正しければ、最初にアプローチに行ったけど、蛍くんがフリーになって前を向いてすぐに僕の裏に蹴ってきた。そのタイミングで一瞬僕が古橋(亨梧)選手に遅れてしまった。非常に難しい対応ではありましたけど、一瞬のスキを与えてしまったと思います。

−−昨年手術されましたが、今日の試合でのコンディションはいかがですか。
去年の年末に天皇杯の試合に出ずに、手術をして、手術をするときにドクターといろいろと話をして、全治3カ月ぐらいで開幕に間に合うか間に合わないかという話をした中で、約2カ月ちょっとで予定より早く復帰できましたし、FUJI XEROX SUPER CUPでもベンチ入りできましたし、そういう意味でも経過は非常に良い。メディカルスタッフを含めて本当にいろいろな方に感謝しないといけないですし、今日は残念ながら負けましたけど、勝って恩返しをしたかったです。

[小野瀬 康介]
−−2試合右SBでプレーして見えてきた課題を教えてください。
少しずつですけど、守備の立ち位置とかラインを合わせることには慣れてきたかと思います。

−−今日は右ウイングが宇佐美 貴史選手で、少し戸惑っているようにも見えましたが、一緒にプレーしていてピッチ内で話をしていたことがあれば教えてください。
相手のSBが高い位置を取って、僕のところで2対1を取ってきたのが初めてで、僕も混乱しながら周りの(井手口)陽介や(三浦)弦太に声をかけながら、貴史をもっと前に出させるようにしたかったですけど、前半は相手にうまくやられたと思います。

総評
Q「FUJI XEROX SUPER CUP2021から少しメンバーの入れ替えがありましたが、その理由とFUJI XEROX SUPER CUP2021でうまくできていた部分がなかなかうまく行かなかった部分もありましたが、そこについてのお考えを聞かせてください。」
宮本監督「メンバーの変更はどういう風に試合を進めようかというところで、メンバーの変更があったというところですし、試合の入りで少し受けてしまったところがあって、ちょっと守備の強度が低かったところがあり、相手のボール保持の時間になってしまったかなと感じています。

Q「FUJI XEROX SUPER CUP2021でうまくいっていた部分がなかなか今日出せなかったのはどういう理由があるとお考えですか。」
宮本監督「うまく行っていたというところはどういうところでしょうか。

Q「後半はボールがスムーズに回った時間もあったと思いますが、今日はなかなか右サイドの連携もギクシャクしているように見えたのですが。」
宮本監督「それは、キャスティングもありますし、もちろんコンディションの問題も、誰がどういうコンディションにあるのかというコンディションのばらつきというのもまだあるので、そういうところも少し出たかなと思います。

Q「守備がはまらなかったところでいうと、ちょっと両ウイングのところで、監督がおっしゃるキャスティングの問題なのか、コンディションの問題なのか、両ウイングの守備の強度が連携面などで、そこも少し足りないところに見えましたが、課題や今後の展望をどうお考えですか。」
宮本監督「そうですね、そこの強度はやはり、物足りなさが途中まであったので少し受けに回るところはあったと思いますし、それは個々の判断であったり、中での声であったり、少し後ろに重いところが見受けられた立ち上がりだったかなと思っています。

Q「チーム作りで新たな取り組みの最中ということもありますが、山本選手に対してかなりプレッシャーをかけられて、相手も当然、警戒してくるところですが、前半は少しリズムが出なかったのはそこも一つのポイントだったように思います。相手も今後狙ってくる中で、チームとして今後どのような点が必要だとお考えでしょうか。」
宮本監督「そうですね、20分だけはそういう時間帯でしたけど、それ以降はこちらとしてボールを動かすというところもできて、相手陣内深くというシーンも増えたんですけれど、課題はその先をどう決定的なチャンスの数を増やすのかというところと、それを決め切れられるのか。両方に立ち上がりチャンス、立ち上がりというか前半もありましたし、後半の立ち上がりにもこちらにもありましたし、それをやはり決められるかどうかじゃないかなと思います。」

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