『山村宏樹の友だちの輪! その2/宮本恒靖(ガンバ大阪)』

前回から始まった対談シリーズの第2回。今回はどんな話で盛り上がったか・・お楽しみ下さい!

山村: ところで今日のテーマやねんけど。
宮本: テーマあったんや(笑)。
山村: そう、一応、サッカーについて…。
宮本: その割に、スタートから話が違ったような気するけど…ま、いっか。
山村: そう、まぁいい、と(笑)。僕の小さいころの夢って知ってる?
宮本: 知らん、知らん(笑)。
山村: そらそうよね、実は「ワールドカップに出て、あの金のカップをもらう」って作文に書いてん。だからそれを知ってる友だちには「何で野球やってんの?」ってよく言われた。
宮本: ほんまや、何でやったん?
山村: サッカーは朝練習が5時からあったから。
宮本: 5時? そんな早いのは聞いたことないで(笑)。
山村: そうでしょ? 火曜日と木曜日、土曜日は朝練習があって、日曜日は必ず試合やってた。でも野球は、もっと楽やったから、そっちを選んだ。
宮本: 分かりやすいな(笑)。でも俺も小さい頃はサッカーじゃなくて、ソフトボールをやってたわ。俺も野球選手になりたかったから…まさに、逆やな。やっぱりなりたいものにはなるのが難しいってこと?
山村: そうかなあ。好きなことは趣味でおいておくべきってことかなあ。でも、プレーするっていうことを考えても、絶対にサッカーの方がしんどいよね?
宮本: そうかなあ。でも、先発ピッチャーの人と、僕らのしんどさはあまり変わらないと思うよ。確かに野手の人と比べたらサッカーの方が試合はしんどいかも知れないけど。
山村: 野球は接触プレーとかないしね。
宮本: うん、それはあるかも。接触プレーって結構キツいし、不可抗力で、自分が悪くなくても相手にぶつかってこられてケガしたり、っていうのもあるから、その分の疲労は多いかもしれへんな。
山村: そう言えば、前から疑問に思っててんけど、コーナーキックってあるやん? どこのチームもだいたい蹴る人が決まってるけど、あれって一応、みんな蹴れるでしょ?
宮本: そうやなあ、基本的にみんな蹴れるのは蹴れるよ。
山村: このへんに蹴りたいなって思うところにも蹴れるでしょ?
宮本: うん、ある程度はね。
山村: それなのに、何で蹴る人がいつも同じなん? たまにはツネが蹴るとかないの?
宮本: ない(笑)。基本的に、みんな蹴れるとは思うけど、必ず、蹴る人のセンスとか技術の差が出てくるから、その技術やセンスっていうのが高い人が蹴ることになるね。それはピッチャーになる人も同じやろ? プロになるような選手は基本的にある程度、ここっていう場所に投げれるやろうけど、でも、例えば「球速もあって、そこに投げれる」とか、「球速もあって、両サイドに投げ分けれる」っていうプラスアルファっていうか、そういうのを持ってる人がピッチャーになるでしょ? 精度の違いっていうか…それは生まれた時から持ってる才能に通じるものでもあるよね。
山村: うん、それは絶対にある。
宮本: 才能といえば、イチローさんはすごいなあ、あの活躍ぶり。
山村: 例えば、バッターボックスに立った時に、ピッチャーの足元と、セカンドベースの野手の間に少しのスペースができるよね? イチロー曰く、「そこの間ならピッチャーがとらない限りは何本でも打てる」って言い切ってた。確かに、メジャーにいってからも、そこへのヒットが一番多いし。
宮本: うん、確かに多いね。でもそうやって言い切れちゃうところが凄いよね。それにしても、凄いといえば、近鉄のリーグ優勝も凄かった。あれはかなりのミラクルやったね。あ、最初に「おめでとう」って言おうと思っていたのに忘れてた(笑)。いいよなあ…うらやましい、まじで。
山村: いや、絶対にガンバもできる。だって俺らも去年は最下位やで。ガンバは去年最下位じゃないから、優勝までもっと近いやん(笑)。
宮本: 確かに、いい考え方(笑)。でも、あの優勝決めた北川さんのホームランの時ってどうやった? まさかって感じ? 確か、北川さんも山村くんと同じで阪神から来てんよなあ?
山村: そう、しかも、僕と同期入団。
宮本: あ、そうなん? 年は上じゃなかった?
山村: うん、僕が高校から入って、北川さんが大学から入ったからね。
宮本: 阪神におる時は1本もホームラン打ってないんやろ?
山村: うん、フェンス越えたのみたことない(笑)。
宮本: そやのに、何が彼を変えたん? コーチがいいの?
山村: コーチもあるし、環境もあるし…何より、使ってもらえるというメンタル面でのことが大きいんじゃないかな。阪神にいるときは、1軍にあがってもどうせ使われないし、打席数も少ないってうのがあっただろうけど、近鉄にきたら使ってもらえるし、使ってもらうタイミングも分かるっていうか…相手の投手が右だったら俺が代打だな、とかね。それに、そうやって使ってもらうことが自分の自信にも繋がっていくだろうしね。だから、あんなところで最後にホームラン打つのだって、阪神にいる時なら信じられない話だけど、近鉄ではそうじゃないっていうか…。
宮本: あの瞬間本人はどんな気持ちやったんやろうなぁ?
山村: 本人曰く「スライダーをこのタイミングで打ったっていうのは覚えてるけど、そこからどうやってボールが飛んでいって、どうやって自分がベースをまわって、ホームベースを踏んだのか覚えてない」らしい(笑)。
宮本: へえ。いいなあ、そういう喜び、俺も味わってみたいなあ。最後のベースはちゃんと踏んでたのかな(笑)? すごい人の輪やったけど?
山村: それは大丈夫。みんながベンチから飛び出していって、ホームベースのところで輪になって待ち構えてたけど、ちゃんとベースのところだけは開けてたし(笑)。しかも、審判も足の間からちゃんと見てたしね(笑)。でも、あの日のことって僕らもあまり覚えてない…そこにいたことすら疑わしい(笑)。
宮本: じゃあ、どこにいてん(笑)! 
山村: いや、ちゃんといたみたい。写真にも残ってる(笑)。でもほら、例えば、最後は守備をしている場面で優勝を迎えてたら、たぶん、2アウトくらいになった時には、みんなが守りながらボロボロ泣いてたりしてたんだろうけど、あの勝ち方やから、そんな余裕もなかったもん。サヨナラホームランやもんなぁ…あ、でも、たぶん、あのホームランのおかげで優勝のシーンを見逃した人も多いと思う(笑)。
宮本: それは絶対におる。うちのチームの斎藤トレーナーも、テレビで見てたらしいねんけど、途中で「もう負けるわ〜」と思って、他のチャンネルに変えてて、しばらくして戻したら、優勝してたって言ってた(笑)。だから、そういう人は絶対に多いと思うよ。それにしても、俺らもいつか味わえるかなあ…今季もまたリーグ戦、カップ戦共にアカンかったし…次のターゲットは…。
山村: 天皇杯があるやん。
宮本: そうや、まず、天皇杯がある!
山村: 天皇杯は確か、1月1日が決勝よね?
宮本: そうそう、「元旦・国立」っていうやつ。
山村: そしたら、予定をあけておくわ。で、その時は俺も乱入して一緒に喜ぶし(笑)。あと、表彰の時にスタンドに上がっていってみんなでウォーって喜ぶシーンあるやん? あれにも参加する(笑)。結構、ああいうの好きだからね。
宮本: 嫌いな人はおらんやろ(笑)。
山村: まぁな(笑)。

→第3回

text/misa takamura